上野南部地区人権のつどい 「現地キーウの様子を聞こう」 開催

令和6年2月4日(日)10時から上野南部地区市民センターで、浅井 絵利香さんを講師に「ウクライナの今」と題して、ウクライナ現地キーウの様子をご講演いただきました。
まず初めに、6歳の子どもさんがウクライナの民謡「赤いカリーナは草原に(邦題)」の歌を披露してくれました。

 

 ≪令和4年8月にご講演いただいた内容の概要説明≫
2022年2⽉ ロシアによるウクライナ侵略が開始
ロシア国内で軍事⾏動が怪しくなってきたため、⽇本政府もウクライナからの避難勧告が発令
• ⽇本へ避難する⾶⾏機を予約し、出国前の新型コロナウイルス検査で陽性が判明。⾶⾏機に乗ることも⻑距離電⾞に乗ることもできなくなる。
• ⼦供達は⾼熱が出て、義⺟が呼吸困難で救急搬送されたりする中で、ロシア軍のニュースを⾒守りながら、宅配スーパーを利⽤して⽔や保存⾷の確保をする⽇々

キーウ(Kyiv)市内への攻撃
•2022年2⽉24⽇の朝5時頃、⼤きな⾳で⽬が覚めると、窓の外に強い光がいくつも⾶んでくるのが⾒えました。
• 翌⽇には窓のギリギリを戦闘機が旋回していきました
• ⼦供達とマイナスの気温の中、地下シェルターに避難
• 隣接する公園を挟んだ⼤通りにロシア軍の戦⾞が⼊り、激しい戦闘が⾏われ、近所の家が破壊されたり、避難途中の家族が殺されました

今回は、令和5年(2023)年7⽉~8⽉の⼀時帰国されたときの様子を聞かせていただました。

戦死者を追悼する旗やパネル、献花、⽇本⼈義勇兵が1名戦死、追悼の旗も掲げられています。
ペトリキフカ塗り
• ペトリキフカ塗りというウクライナの伝統的な絵の技法
2013年にユネスコ無形⽂化遺産に登録されています
美しい装飾の正体は実は戦⾞を⽌めるためのバリケード
⾸都キーウ(Kyiv)を守ったバリケードに
ユネスコ無形⽂化遺産のペトリキフカ塗り装飾を施すことで、「ウクライナの⾃由、⽂化は奪えない」という象徴となっている

【嬉しかったこと】
キーウ(Kyiv)市内の復興
• 私たちが避難したときには壊れていた近所の住宅はほどんど修復。キーウ(Kyiv)市内はスーパーに⾷料や⽇⽤品が並び、2022年以前と変わらない品揃え
※ただし値段は2倍以上で⽣活が苦しい⼈が多い
戦争により職を失った⼈も多く、ホームレスが増えた印象
・友達に会いに行った日の出来事では、一日に7回くらい空襲警報が鳴り、そのたび全員避難してくださいとお店が閉まりシェルターに避難するとのことで、慣れていない場所での避難は大変だったと話されていました。

【ショックだったこと】
• ⼦供達と散歩をしていると毎⽇のように⼿⾜を失った⽅、顔に傷跡の残る⽅、怪我で失明された⽅を⾒かけました
• 両腕と両⽬を失った若い男性に⾼齢のご両親が寄り添いながら歩く姿がとても痛々しくて、胸が痛みました

ウクライナの課題(戦況以外)
• ウクライナは開発途上国で、国内インフラが不⼗分。バリアフリーは未整備
• 戦争によって⼿⾜を失った⼈、失明した⼈が多く、社会復帰が難しく、⼼⾝ともに疲弊している
• 避難先から戻り、変わり果てた街の様⼦を⾒て罪悪感や喪失感に襲われる⼈が多く、負傷者以外の⼼のケアも必要

ロシアによる⼦どもたちの誘拐
• ウクライナではロシアによる⼦どもの強制的な連れ去りが、1万6000件以上確認され、捜査が進められています。実際の⼈数はこの何倍にもなるかもしれないと⾔われています
• ⼦ども達は強制的にロシア国内で養⼦縁組が進められています
誘拐した⼦供達や占領した地域の⼦どもたちに「再教育」が⾏われている
※再教育:ロシア中⼼の学校教育、⽂化教育、ロシアの愛国⼼教育
例えば…
• 誘拐した⼦供達に「お前たちは親に捨てられた」と⾔い、⼦供達に軍事訓練を受けさせ、「ロシアのために命を落とすことは怖くない」と毎⽇朗読させていることが保護された⼦供達の証⾔でわかっています
• 誘拐され、ロシア国内で18歳の誕⽣⽇を迎えたウクライナ⼈男性が誕⽣⽇の翌⽇に徴兵され、その後国際⼈道チームに保護された事例もある

メッセージ
過去の戦争や搾取され続けた歴史があり、これまでウクライナは貧しい国でしたが、⺠主主義、未来の⾃由と平和のために頑張っています。本来、⾃然豊かで資源の多いウクライナは困難を乗り越え、国としてのポテンシャルを活かして、必ず世界にお返しができる素敵な国として復興すると信じています。
ウクライナが平和を取り戻し、復興するまでには10年、20年と年と⻑い年⽉が必要ですが、どうか⻑い⽬でウクライナのことを⾒守っていただけますと幸いです。    浅井絵利⾹

 上野南部住民自治協議会では、令和4年5月からウクライナに一日も早い平和を願い「ひまわりプロジェクト」を発足し、上野南部地区にひまわりをいっぱい咲かせてウクライナの平和を願いました。
 その思いから、本日は自治協から浅井様に「スイートピー、ガーベラ、青薔薇などお花にメッセージを込めてお渡ししました。

  

同時に人権パネル展を開催しています。
2月1日(木)から2月8日(木)まで

  

 もっと、お話を聞きたかったが時間の関係もあり、皆で一日も早くウクライナの平和に戻ることを願って、人権のつどいを終えました。報道機関の方を含め、75名の参加者でした。

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